「運動部だって同じだろ? 一旦部活に入ったら、それ中心の生活になるじゃん。ほかの何かに打ち込もうにも、むずかしそうだし。 俺だってどっかの部活でがんばってたりしたら、こんなふうにギターにのめり込む時間はなかったわけで、たぶんバンドもやってない。 偶然の巡り会わせってやつだ。 だから手ぶらでいるのも悪くないって話」 「そう……かな?」 「そうそう。焦るな紗百、可能性は無限だ」 そう言って高梨くんは笑った。