「お助け、完了」 そう言って振り向くと、あたしにピースを向けた。 「…喧嘩強いんだね」 「強くねェよ。あいつが弱いだけ」 …いや。 かなり喧嘩慣れしている様に見えた。 だけどあたし、この人のこと、何にも知らないんだよね…。 出会ったばかりの人にこんなふうに助けてもらうなんて…本当に感謝しないと。 だって、普通、あんな危険な時に助けが来るほうが奇跡だよ。 もう諦め半分で、あたしは助けを求めてたから… 「…助けてくれて…ありがとう…」 そう言って、感謝の気持ちを伝えた。