「話って?」
「あ、今日、元気無いように感じたんで……元気付けたかったんです」
…や、優しい。
「ありがとう。でも、大丈夫だよっ?」
「無理、しないで下さいよ?」
…や、優しすぎる。
「はい」
「あ、もう十時だ。早く出ましょうか」
「うんっ」
智也君の後ろを歩くと、腕を引っ張られ、横に並ばさせられた。
「…なんか、寂しいんで」
…もうなんなの、智也君って。
年上の私から見たら、可愛いかも。
そんなことを思っていると、出口に着いた。
智也君は、私が出るまで扉を支えてくれた。
「ありがとう」
「当たり前ですよ」
外に出ると、私と智也君が反対方向とゆうことが分かった。

