無事バイトを終えて、今は、更衣室にいる。
「「お疲れ様でしたー」」
数人の人が出て行って、玲奈と二人きり。
「ねぇ、ちなみ?」
「んー?」
「南原君、女子と来てたね」
何を言い出すかと思えば…。
思い出したくないことを言われた。
「そうだね」
「どう思った?」
「……聞いちゃう?」
「うん」
「嫌だったかな」
私がそう言うと、玲奈に笑われた。
「ふふ。やっぱり、ちなみは、南原君のことが好きなんだよ。素直になってみたら?」
素直?
……そっか、私は、素直じゃないのか。
でも、この気持ちを認めたくないんだ。
「恋するって、悪いことじゃないよ?」
「うん。分かってる」

