南原達がいる席には、なるべく近づかないようにして、お客様のお皿を下げた。
すると、一人の女子が南原が飲んでいる飲み物を、頂戴とねだり始めた。
南原もそれをOKして、その子に飲ませた。
あー…間接キスだ。
って、いい大人が何を考えてんのよ~。
やだやだ。
私は、そんな光景を視界に入れるのが嫌で、持っているお皿を急いでキッチンまで運んだ。
「──…ぱい!先輩!」
「え、あ、智也君…どうしたの?」
「大丈夫ですか?ボーッとしてますよ…」
「んー、大丈夫大丈夫!」
「そうっすか?」
「そうそうっ」
智也君は、大人だなぁ。
これ以上、何も聞かれなかった。
とゆうか、察してくれたのかもしれない。

