「…別に、気にしてないっ」
ボソッと呟くと、南原と目が合った。
合ったけど、すぐに目を逸らされてしまった。
……え?
何、今の?
何で逸らされたの。
私、何かした?
南原は、私から目を逸らすと、女子と楽しくお喋りしている。
何よ、南原の奴。
何よ、この気持ち。
「何よ、馬鹿」
何で、こんなモヤモヤするの?
イライラするの?
「どうかしました?」
「え!?」
「いや、馬鹿って言ってたんで」
オーダーを取り終わった智也君が、いつの間にか私の隣にいた。
「あ、気にしないで……私、お皿下げてくるねー」
「…はい」
早速、智也君に心配されちゃうなんて……先輩失格?
もっと、しっかりしなきゃ。

