僕は君のためにピアノを弾く

ピアノの鍵盤へ指を滑らせて、メロディをつむぐ。

言葉で現せないけど、ピアノでなら。

おもいを目一杯に込めた一音一音を絡ませて、ひとつの大きな大きな流れにして、君に届けられる……そんな気がする。

「リクエストはある?」

と、訊く。

彼女は、ポコッとえくぼを作って、こう答えた。

「じゃ、きらきら星。私のために、すっごいきらっきらしちゃうくらい、素敵にお願い」

「喜んで」

そして僕の指が、鍵盤を弾む。

指が?

違う。弾んでるのは、僕の心だ。

君の歌声だ。

僕は君のためにピアノを弾く。

今までも、これからも。

そしていつでも聞くんだ。

リクエストは決まった?と。