皇帝のサイコロ

畳んでいたローテーブルの出番が再びやってきた。

移動距離の少ないように母の近くへ置く。

そして出来上がったチャーハンとラーメンを運ぶ。

「いただきます。ありがとね」

卵、キャベツ、もやしが入った塩ラーメン。
二人がズズッと麺を啜る音だけが部屋に響く。

白い汁の底に潜んでいるラーメンの細かく切れた麺を箸でつまむ作業に移った頃。

「慎、ご飯食べ終わったら買い物してきてくれる?」

母がそう言った。

立ち上がり、メモ用紙とボールペンを母の傍に持ってきた。

「いるもの書いて」

「ふふ、気が利くわね」