皇帝のサイコロ

玄関を掃いて洗濯物を干し、食器洗い。

お風呂の栓を抜いて窓を開けて換気完了。

そして掃除機をかける。

今日一日、母に代わって家事全般をしなくてはいけない。

まるで主夫のようだ。

誰かの為にやるとなると燃えてくる。

ボランティア精神というものを久々に思い出した。

いま現在相棒の掃除機を二階に持っていき、汚い自分の部屋を掃除する。

ふとテーブルの上に陰毛が一本あるのが目についた。

いつも変なところに落ちている。

やめてくれ。

掃除機を近づけると、そのウネウネと曲がった毛は吸引力に勝てるわけもなくあっさりと吸い込まれていった。