皇帝のサイコロ

そこまで考えていなかった。

隠し通したらいいと思っていた。

思考が麻痺していた。

いつかはバレる。

普通に考えれば分かることなのに。

「もう一回聞くけど、今の状況を変えたい?」

「……うん」

「そんな弱腰じゃ絶対にパチンコから離れられないと思う。本当に止めたいと思ったとき、僕に電話ちょうだい。力になるから」

その後、歌える雰囲気でもなくなり、その日はお開きとなった。