「アイツが俺の行動を知ったら、余計に怒らせるだろう?」

「だから?」

「だから下手に気付かれないよう、上手くやろうと思っているんだ」

 俺なりに真面目に言ったつもりだが、富沢さんにとってはおかしなセリフに思われたようだ。

「アハハハハ! そこまで神経質にならなくてもイイじゃなーい!」

 この女め、笑いやがった。

「何がおかしいんだよ!?」

「だーってね! ハハハッ!」

 笑い続ける志田さん。

「だから何ィッ!?」

「何だか神経質だよねー?」

 俺はムッとなって言った。

「別に神経質になっているんじゃねーよ!」

「なっていないの?」

「俺としてはフツーだし! 真面目なんだよ!」

「真面目なんだ?」

「大人としての対応を言っているだけしな!」