嫌い嫌い! 大ッ嫌い! 変わらぬ思い

「デカいミスをしたんだ?」

「そんなに大したミスじゃないんだけどね。でも本人がすっごく気にしちゃって」

「それで会社を休んでるってワケか」

「まあ恐らく」

 富沢さんが会話に加わる。

「敦子って結構、神経質な性格だから相当気にしているんだね?」

「別に気にする事も無いと思うんだけど。ちょっとした事でも気にしちゃうコだから」

「責任感が強いのかな?」

「イイ意味ではね。まあまあ大雑把な面も有るんだけど」

「それは昔からだよ」
 
 富沢さんと志田さんとの会話は続いた。

 俺はハンドル握りながら聞き耳を立てるだけだ。

 西谷さんが会社を休むのは、単に仕事上のミスを気にし過ぎて落ち込んでいるから。

 それだけではないと俺は思っている。

 もっと深い事情が有るのだ。