異臭を放つ庫内は、食材類が埋め尽くされている状態になっている。

 冷凍室から冷蔵室、野菜入れまで全て満杯。

 あまりにもギュウギュウ詰めだから、肝心の冷気が隅々まで行き渡っていないようだ。

 食材1つ1つ、手に取って見る。

 どれも賞味期限切れの物ばかりで、中には腐って原型を留めていないミカンとかも入っている。

 緑色のカビだらけの食材…

 これはいったい何?

 ジックリとチェックしてみると…

 それは食パンである事が認識出来た。

「いかがです?」と武司君。

 私は呆れ顔で答えた。

「こんな所で生活するなんて、お姉さんも度胸が有るよね。関心しちゃうわ。私だったら気が狂いそう」

「姉だってきっと、同じ思いだと思いますよ。気持ち的に穏やかじゃないハズです」