隣の部屋には姿見や化粧台が置かれているけど、ココもゴミ溜め状態。

 敦子ったら、こんな所でメイクをしているのだろうか?

 悪臭が漂っているのはキッチンからだ。

 生ゴミとか汚れトレー類、空のペットボトルとかがギッシリと詰め込まれたゴミ袋が無造作に山積みされているけど、長く放置されているからか悪臭を放つ元になっているのだ。 

 シンクの上にはまだ洗っていない食器類とかが置かれてある。

 しかもイッパイである。

「志田姉さん、冷蔵庫の中を見てみる?」

「え?」

 武司君が冷蔵庫の扉を開けた。

 彼に促されるようにして中を覗き込んで見る私。

 うわッ!

 何とも言えないような異臭が鼻を衝き、私は思わず顔を背けた。

 大きく深呼吸し、ハンカチで口を押さえたまま中を見てみる。