草食系男子を思わせる、彼の名前は楠木涼。 けれど私にいわせれば、彼は間違いなく肉食だ。 なんだかんだでいつも強引だし、き……キス上手だし? 「ん、どうかした?」 よっぽど私の視線が気になったのか、彼が私を見て笑う。 私は、彼の声がとても好き。 高すぎず、でも低すぎない。 しっとりとした甘さを含んだ彼の声は、何かを言うたびに私の脳内を痺れさせた。 「な、なんでもない……」 「そう?」 「うん」 とにかく、涼くんは素敵すぎるのだ。 ……口には出せないけど。