不良でも、

本当は優しい人だって知ってる。

私は木山先輩の顔を見た途端、

咳を切ったように、

大声を出し手泣き出した。

・・・

ギョッとした木山先輩。

訳も分からず、

ただ私を慰める。

・・・

とりあえず人通りの少ない公園に

避難して、

私の体をしっかり抱きしめて、

背中をトントン。

・・・

私は泣き止むことをすっかり忘れ、

ずっとずっと泣き続けていた。

・・・

「…チワワ」

・・・

木山先輩の後ろの方から、

そんな声が聞こえてきた。

・・・

木山先輩は振り返り、

智也を凄い形相で睨みつけた。

・・・

智也は表情を変えず、

私たちに近づく。