私が姉の姿を追うことをやめてしまったら、きっと津村は私から離れていく。 津村が好きなのは『ちぃ』なんだから。 「ちょっと出掛けないか?」 そう言うと津村は私の腕を引いて歩き出す。いつかのように、強引に。 津村の黒い車に乗り込み、津村は車をゆっくりと走らせる。 どこに向かうのか、私は何となく気付いている。 私が辛そうにしていると、津村は必ずあの場所に連れて行ってくれるから。