津村には分かるんだ…… 家でも学校でも自分を作り上げていて、私ですら本当の自分を見失いそうなのに。 でも、私は『私』をさらけ出す訳にはいかない。 会ったばかりの人に弱音なんか吐きたくない。 「ちぃちゃん、無理してるんじゃない?」 津村が私に追い撃ちをかける。 どうしよう。 今まで見抜かれた事なんてなかったから、どう対処して良いか分からない。 相変わらずカーステレオから流れる英語の曲が車内を巡っていた。