頭の上で津村がぽつりと言った。


「千尋に、二人でサヨナラしようか。」


津村の腕が緩んだので、私は身を起こして頷く。

少し寂しそうな目をごまかすように微笑む津村。

私は津村の手を取った。
すると津村が空を見上げて口を開く。


「ちぃ。俺には守りたい人が出来たんだ。ヤキモチ妬かずに見ててくれよな。」


津村はそう言って少し照れたように笑った。

『ちぃ』と言う愛称は、やっぱりお姉ちゃんに向けられた方が自然だね。