あれから、あっという間に時間は過ぎて待ちに待ってない退院の日が来てしまった。
「葵ちゃん、退院おめでとうございます。」
そう言って岸井先生と幸斗が軽く頭を下げた。
そしてママとパパが
「本当にありがとうございました。」
と言って私に頭を下げろと目で訴えてきたから私も軽くお辞儀した。
「いやぁ。葵ちゃんがいなくなったら寂しくなるなぁ。なあ佐武先生!」
「そうですね。葵ちゃん、お元気で。」
寂しくなるなんて思ってないくせに。きれいごとばっかり並べたがる。
人間って本当バカだよね。
思ったことを言えばいいのに。
「じゃあ葵、そろそろ行こうか。」
と言ったのはパパ。
私達は先生達にもう一度頭を下げてパパの運転する車に乗った。
もう、岸井先生や幸斗に会えなくなると思うと少し悲しいとも思うが、私としてはあの退屈な生活から抜け出せることが何より嬉しい。
病院から私の家までは約30分。
でも、その時間はすごく短いように感じた。
そしてあっという間に家に着いた。

