「ちょっと~葵~?聞いてるの?」
どのくらい時間がたっただろう。
あれから私は幸斗の指示通り歩くわけでもなく、ただぼーとしていた。
そしたら…ママが来て…。
「葵~?だから高校どうすんの?」
あっ、そうだった。
ママは退院後のことを私に相談しに来ていた。
ママは私が高校に行きたくなければ別にそれでもいいらしくて。
やっぱり、私のいじめとか気にかけてくれてるんだなぁって思う。
「高校は…行かない。」
「そうね。行かない方がいいかもしれない。その代わり家の手伝いしてもらおうかしら。」
「はいはい。」
「あっ、そうそう。チーズケーキ買ってきたんだけど食べる?」
チーズケーキって言えば私の大好物。
小さい頃からよく食べていたんだ。
「食べるー!!」
「じゃあ取りあえず冷蔵庫に入れとくわね。」
たしかにこの病室には小さい冷蔵庫があるけど…そうじゃなくて。
「今食べちゃダメなの?」
「ダメよ~。先生が葵を歩かせて下さいって言ってたわよ。」
え~。
もう幸斗のせいだ。
なんでママに言うのよ!!
「もう~なんでママに言うかなぁ。」
「だって葵、先生の言うこと聞かないんでしょ?困ってたわよ?なんて言ったかな。うーんと…。」
「佐武先生?」
「そうそう!!佐武先生よ。若くて優しそうな先生じゃない!」
まぁ、確かに若くて優しいのはあってるけど。
なんて言うかうっとおしい。
そしておせっかいだよね。
「葵、あの先生なら心開けるんじゃない?」
「それはない!!」
「なんでよ~仲いいんでしょ?」
「んなわけないでしょ。」
「そうなの?先生が言ってたわよ~なんて言ったかしら…。」
「岸井先生?」
「そうそう!!岸井先生が言ってたわ。」
「勘違い!!私が心開ける人なんていないよ。みんないつか裏切るんだから。」
「そんなに世の中嫌な世界でもないわよ~葵はちょっと運が悪かったのよ。」
「…。」
「葵はまだ16でしょ?人生まだまだじゃない。生きていればいつか言い人に出会える日が来るわよ!」
「どうせ私の周りにはそんな人現れないよ。」
「まぁいいわ。葵もその内わかるわよ。じゃあ歩きにいきましょ!」
そう言ってママは不気味な笑みを浮かべながら。
“ほら行くわよ!”
って誘ってくる。

