青羅くんの呼吸音だけが病室に響いていた。それだけが救いだった。
青羅くんが生きていることを意味していたから。
その時、今まで何も話さなかった青羅くんの両親が亜美に言った。
「青羅はもう話せないけど耳は聞こえているはずだから話しかけてあげて。」
その言葉に亜美は静かに頷いた。
亜美は青羅くんの手をしっかりと握って青羅くんに話しかけた。
「青羅、うちは青羅がいなかったら死んでたかもしれない。青羅がいたからうちは頑張れたんだよ…青羅、本当にありがとう。ごめんね、うちは青羅のことを救ってあげられなかった。青羅ばっかりに辛い思いさせてごめんね。」
そこまで言って亜美は言葉を詰まらせた。亜美の目には涙が溜まっていた。
しかし、青羅くんは眠ったままだった。
「青羅、嫌だよ…青羅がいなくなったらどうやって生きていけばいいの?うちには青羅が必要なんだよ?青羅、お願いだから行かないで。」
亜美の頬には涙が伝っていた。後ろにいた青羅くんの両親や先生、私も涙がとまらなかった。

