雪をおぶって雪の家まで無言で歩く。 背中越しに伝わる雪の熱に安心しかけたが、雪の身体が密かに震えていた。 馨は俯いて俺たちの一歩後ろに下がって歩いていた。 ーーー長い沈黙の中、やっと雪の家に着いた。 インターホンを押すと、玄関の扉から雪の母親が出てきた。 雪の母親は雪の姿を見て、血相を変えて駆け寄ってきた。 『雪ッ?!』 雪を降ろすと、雪の母親は雪を強く抱きしめた。 『何がっ、雪に何があったのっ?!』 雪の母親は俺たちをギッと睨んだ。