リビングには



ソファに座るあたしの隣にアキ姉。




向かいにお母さんとタケ兄。



そして、いわゆるお誕生日席にお父さんが座っている。






二人…久しぶりだな。






そのお父さんが話し出す。



「…ひかるも帰ってきたことだし話をするが、もうそろそろ俺たちは離婚しようと思う。」









ーこのことを聞かされたのは昨日。



珍しく早く帰ってきたお母さんにあっさりと告げられた。






我が家はほとんど家族が成立してない。




両親は仲が悪いわけじゃないけど別居中だったし、あたし自身お父さんは中学の入学式以来久しぶりに会った。





確か20代後半ぐらいのタケ兄は都内の会社の近くで1人暮らし。



アキ姉も大学近くに住んでるから実質この家にはあたしとお母さんのみ。



そのお母さんも病院が忙しすぎて寝るためだけに帰ってくる感じ。



だから日曜日以外のご飯はあたし。






お父さんがどこに住んでるかは正直知らない。









「それで、問題はひかるがどうするかだ…。」







そう。



離婚を機にお母さんはもっと病院に近いところに引っ越したいらしいのだ。





つまりあたしは邪魔…







「…あたし、ここから離れたい。新学期から違う学校行きたいの。」




「え、せっかく受験したのに…?」








アキ姉が心配そうにいう。




いつもそう。


あたしのことを気にかけてくれるのは親じゃなくて兄妹だけ。