アドラーキャット




チョコの中にマシュマロ入れたりナッツを入れたりするのが楽しく、そして何より私の作ったものが美味しいというかつてない事態に私のテンションは上がりっ放しだった。


「祐介くん!!!これだったら荻野目くんも惚れ直すよね‼」

「みずき先輩って単純だからすぐ調子乗りますよね。」

「おい私先輩だぞ。」

「とりあえず、ブラウニーくらいは作れるようになりましょう。また来週来てください。材料は用意しておきますので。」


なんだかんだ言って私の料理上達作戦に協力してくれる祐介くんはやっぱり優しい。
そして私でも美味しいお菓子が作れるんだとチョコを頬張りながら私はニマニマしていた。

幸せで、もう荻野目くんに呆れられることもないだろうという楽観的なことを考えていた。


なにもかもが上手く行っているように思えて、安心しきっていた。





バレンタイン当日に、作ったチョコレートを川に投げ捨てることになるなんて、予想もしていなかった。