アドラーキャット




おにぎりを一個食べ終えた荻野目くんは、ミルクティーを一口飲むと真面目な顔でこちらを向いた。
最近よく見る、荻野目くんの真面目な顔。


「もう、いい。」




「………なにが?」


「あの、付き合うってやつ。」

「ペット扱いの?」

「うん。」

へぇ、あ、やめるんだ。ふぅん。
と、色々な言葉が頭の中を駆け巡ったが、結局どれも言葉にはならなかった。

「この数日間、俺の都合に付き合ってくれてありがとう。」

なにはともあれ、ここ数日私を悩ませていたことの原因はなくなる。
普段通りの生活に戻るんだ。