アドラーキャット



「それよりも、なに、瑞希と荻野目って本当に仲良かったんだ。」

「なんですかそれ!!まさか私が一方的にからんでるだけだと思ってたんですか!?」

「いや、寧ろそうとしか見えなかった。」

パンっと軽く先輩をはたいても先輩はハハハと軽快に笑っただけだった。

「嘘だよ嘘。」

ひとしきり笑った後先輩はそんなことを言った。
ぜんっぜん嘘に聞こえなかったんですけど。

ふと、先輩はさっきまでの笑った顔からなにやら企んでいるような悪い笑顔を荻野目くんに向けた。

「で、荻野目は、さっき瑞希とギャーギャーやってたのは牽制のつもり?」

……は!?

荻野目くんと私の関係が微妙なときにそれ言いますか!?

傑先輩なに言ってんですか、と焦った私が声をあげようとした時。


「そうですよ。」

何食わぬ顔で荻野目くんがそう言ってのけた。

ポカンとする私と傑先輩。




「じゃ、俺ら行きます。」

そう言った荻野目くんは私の手を引いて会計の場所まで連れていく。


会計を済ませながら、私はほとんどぼーっとしていた。

「みずき、10円足りない。」

「あ、うん。今出す。」



猫って、肉食動物だったっけ?