アドラーキャット



私と荻野目くんが食べ物の棚で騒いでいたからか、傑先輩がこちらに気づいて寄って来た。

「荻野目と瑞希じゃん。」

「こ、こんにちわー。」

ちゃんと挨拶をした私とは違い荻野目くんは相変わらずお辞儀ひとつだけだった。

ていうか、この二人なんか雰囲気ピリピリしてないか?
なんなの喧嘩してんの?
小学生みたく喧嘩したこともご飯食べて忘れてくれないかな。
喧嘩の仲裁に入るのってエネルギー使うしめんどくさいんだよね。

「傑先輩、彼女ですかー?」

「ちげぇって。ただの後輩。」

軽いノリで話しかけた。

なんだ、彼女じゃなかったんだ。
それとも、先輩が私に気をつかってくれたのか。