アドラーキャット




何も答えない私に祐介くんは呆れたようにため息をつく。

「荻野目、昨日うちに飛び込んできたんですよ。」

「え、そうだったの?」

「そうなんです。しかも夜中だし部屋に入ってきてもずっと黙り込んでるし。」

「はぁ。」

荻野目くんは私の部屋を出て行った後同じ下宿で近いからか祐介くんの家に行っていたみたいだ。


「なんだかよく分かりませんが、後輩の純情弄ぶのは良くないですよ。」

「ちょっと待って祐介くんは私が何したと思ってるの!?」


冗談ですよ、とケラケラ笑った祐介くん。
分かりづらい冗談、このやろう。