かわいい王子VS鈍感な姫

「あっ、竹本くんにまわったよ!」


雫の言葉を聞き、俺たちは竹本を見た。


1位をキープし、2位との差を広げている。


「竹本頑張れ!」


ちょうど俺の前を通った竹本に声援を送る。


そして、下平さんにバトンが渡った。


2位の女子が速く、差が縮まっていく…


でも竹本がかなり差をひらいたため、1位のまま隼人に…!


隼人…行け!…頑張れ!


隼人は俺の応援にこたえるかのように、一旦縮まった2位との差を広げていく。


次の走者の雫をふと見ると、あきらかに緊張しているのがわかる。


「雫、次は良平だから何があっても大丈夫!おちついて走れ!」


雫はにこっと微笑んだ。



隼人が近付いてくる。


バトンが…雫の手に!


いい感じで雫が走っている。


その調子だ!


…バタッ!


あっ…


俺の目にはこけている雫の姿がうつった。


「し…雫!」


俺は雫のもとに走ろうとしたが、その場から動けなかった。


雫が立ち上がり、良平に向かって走り始めたから…。