牧(まき)さんに出会ったのは、まだお化粧も知らなかった中学の頃。 彼を贔屓にしていた母に連れられて行ったのが最初だった。 「これはまた…可愛いお姫様ですね。」 そう美しい目を細めた彼を、よく覚えてる。 以来、7年。 眉を整えるのも 唇に紅を差すのも 全部 初めては、牧さんだった。