「まーまー…んじゃタツキ先輩も一緒にどうっすか?どーせ暇っしょ?」
何故か聖くんはそう言いながら意地悪く笑った。
「あー…大体わかるはお前の魂胆。俺に金払わそうとしてるだろ」
「あ、バレました?」
「せこいぞ、お前」
「大人げないですね、先輩。俺、先輩より3つも下なのに…」
「そうだよー、タツキ。聖くんに払わすなんて可哀そうだよ」
「おっ!真理子先輩もそう思います?」
「思うよーこんなイケメンな中学生に払わすなんて」
「はぁん!?何様だ、お前ら!」
「痛い、痛いって、タツキっ、」
タツキ先輩が真理子の頬を掴んでムギュッとする。
そして真理子はタツキ先輩の手を振りほどくと、すぐにあたしを見た。
「元はと言えば莉音なんだから。莉音が払えばいいじゃん」
「え、えぇっ!?」
なんで、そうなる。
なんであたしにになる。
真理子が行こうって言ったんじゃん。
真理子が払ってあげるって言ったんじゃん。
なのにどうしてあたしが悪者になっている。
「莉音が食べたいーって言うから」
「ちょ、真理子が言ったんでしょ?食べに行こうって」
「そうだっけ?」
「そうだよ!」
「…おい、お前ら。ケーキごときで揉めるなよ。俺が払ってやるから行こうぜ」
「えっ、ホントに?タツキ払ってくれるの?」
「おぉ、まかせとけ」
口角を上げたタツキ先輩は背を向けてスタスタと足を進めて行く。
「ねぇ莉音も聖くんもおいでよっ、」
タツキ先輩に着いて行く真理子は上機嫌になって後ろを振り向いた。
「あ、うん…聖くん、行こっか」
「ありゃータツキ先輩絶対に企んでんな」
「へっ?」
「莉音、お前の今後の冥福を俺は祈るわ」
「はい?なにが?」
「まーまー、そのうち分かんだろ。ほら莉音も来いよ」
「あ、うんっ、」
何が今後の冥福なの?
よく分かんないけど、まあいいや。
そんな事よりあたしはケーキが食べたくて何も考えていなかった。



