「ち、違うから」
笑う先輩から咄嗟に視線を逸らす。
未だ過激な雑誌が目の前に入り込むから、それを慌てて積み重ね、一番上に車の本を置いた。
「莉音、焦りずぎ。図星じゃねーかよ」
「ち、違うもん」
何故か心臓がドキドキする。
あたしの前で″見た″なんて言われると衝撃すぎる。
「違くねーだろ」
「え、ちょっ、」
グランと揺れる視界。
気づけば昴先輩に押し倒されてて、あたしの目の前には昴先輩の顔で覆われる。
そのまま拒否る事無く昴先輩の唇が落ちてきた。
不意打ちでされたキスに息さえすることを忘れてしまう。
唇を舌でこじ開けられ、その隙間から息をするも、あまりの激しさに頭が真っ白になる。
いつも以上に激しさを増す昴先輩に頭がおかしくなりそうだ。
「…莉音」
暫くして離れた唇から漏れるあたしの名前。
薄っすら目を開けると覆いかぶさってる昴先輩が徐々に見えて来る。
その昴先輩の顔が再び降りてくるその瞬間に、
「えっ、ちょっと待って」
焦って、あたしは昴先輩の両肩に手を添えた。
「なに?」
「ま、待ってよ。ここ学校…」
「だから?」
「誰か来たらどーすんの?」
「誰も来ねーよ」
「そんな事わかんない」
「莉音が声出さなかったら誰も来ない」
「…っ、」
再び合わせた唇から熱を帯びる。
次第に昴先輩の手がシャツの中に入り、あたしの心臓は自棄に慌ただしかった。
誰かが来たら。と言う変な焦り。
なのに昴先輩は、そんな事、お構いなしに首筋に唇を滑らせてた。



