「うん、だってね。すっごく仲いいの。それにね、二人であたしの事、馬鹿にするし」

「だからって昴が香恋さん好きとかないでしょ?」

「見てると分かるもん。ふたりで弾けちゃってさ、あたしの事すぐに馬鹿って言うんだよ?」

「あのね莉音。莉音の事が可愛いからそう言うんだよ?」


なんて訳の分からない事を香澄先輩は言う。

それに連れらって、真理子までもが笑いに包まれた。


「そうだよー、莉音が可愛いから言ってるんだよ」

「なにそれ、意味わかんない」

「ほら馬鹿みたいに可愛いって言うでしょ?」

「言わないし」


頬を膨らませてたけど、運ばれてきたケーキを食べた瞬間、そのおいしさに思わず笑みが零れた。


「ほら莉音は単純だよ。さっきまで頬膨らませてたのにケーキ食べたら変わるんだから。だから馬鹿みたいに可愛いって言うんだよ」


真理子は隣でケラケラ笑って飲み物を口にする。


″ねー香澄さん?″なんて言いながら笑う真理子に、また頬を膨らませてしまった。


「そうだよ莉音。昴が香恋さんの事好きなわけないじゃん」

「何でそんな事分かるの?香澄先輩、何も知らないじゃん。それに昴先輩がね、お姉ちゃんの事、美人って言ってたもん」

「あのね莉音。美人だから好きだとは限らないでしょ?って、そんな事言うくらいだから莉音は昴が好きだから嫉妬してるんだ?」


目の前の香澄先輩は口元を緩ませてあたしの顔を覗き込んだ。