「えっ、えっ、なになに?それってマジで言ってんの?」
「え、昴が初恋の男の子な訳?」
興奮する真理子と香澄先輩に苦笑いになる。
「あ、あのさ…別に初恋じゃないんだけど」
「えー、でも優しくてカッコ良かったって、莉音惚気てたじゃん」
痛いところをつく香澄先輩に、苦笑いを通り越して、顏が引きつる。
「そうだよー、莉音。会いたいなって言ってたじゃん。いやん、これって運命の恋って奴?」
「全然、運命じゃないんだけどな」
「何言ってんの!これは運命だよ。あの先輩だよ?みんなが恋い焦がれる昴先輩だよ?超カッコイー」
なんて惚気てる真理子にはタツキ先輩が居るでしょ!なんて思いながらため息をついた。
「全然運命じゃないから。あ、あのね聞いてよ。昴先輩はね、お姉ちゃんが好きなの」
「はい?」
素っ頓狂な声を出したのは香澄先輩だった。
案の定、真理子までが口を開けたままあたしを見つめる。
まるで″何言ってんのアンタ″とでも言いたいように白い目を向けて来た二人に再び口を開く。
「だ、だからね。昴先輩はお姉ちゃんが好きなんだと思う」
「え、何で?」
香澄先輩は少しずつ目を細め、次第に首を傾げた。



