次の日、真理子の約束時間を15分遅れで来てしまった喫茶店。
昨日24時間以上も昴先輩と居た所為か、自分のペースが物凄く乱れてるような感じがした。
だけど、それほど思ったほど疲れてない自分にビックリする。
中に入ると、一番奥の席から高く手を上げた真理子が蔓延の笑みであたしに手を振った。
その真ん前には香澄先輩までもが居て、その普段笑わない香澄先輩に何故だか嫌な予感がした。
「莉音、おそいよー」
「ごめん」
真理子はいつもテンション高めだから何も感じないけど、香澄先輩の笑みが自棄に気になる。
真理子の隣に座って、目の前の香澄先輩が微笑むもんだから「なんかあったの?」なんて返してみるも真理子と香澄先輩は更に頬を緩めた。
「やだっ!なんかあったのは莉音じゃん。あたし見たんだから」
″キャー″なんて声を上げる真理子に、物凄い聞きたくない話なんだとすぐに分かる。
絶対にこれはあたしが思ってる事と、的中する。なんて思ってたら。
「昴と朝帰りだって?」
香澄さんはニヤニヤしてあたしを覗き込んだ。
やっぱり、やっぱりそうだった。
あたしが思ってた通りの内容だった。
「あたし見たんだよ。昨日の昼頃、莉音がね昴先輩と一緒に歩いてるところ。しかも制服だってー、昨日休みなのに。二人で何してたの?もしかして一緒に寝たの?」
興奮気味に話す真理子はきっと暫くおさまりそうにない。
きっと多分、先輩とホテルを出て帰る途中だ。



