「えー、莉音それはダメだよ。彼女もちの男に料理振舞うなんて」
それに加わったお姉ちゃんはあたしにダメ出しをするから仕方なく口を開いた。
「だからそれはね、真理子が出来ないって言うから」
「あら、真理子ちゃん作れないんだ。ダメだね…」
「おいおい、香恋さんも作れねーじゃん」
「あたしはいいのよ別に。料理人見つけるから」
「あー…はいはい」
適当に流した昴先輩とお姉ちゃんは″美味しい″って言って食べてくれる。
それだけで、その言葉だけでもう十分だった。
もともとこんなに食べれる訳じゃないし、仕方ないから仕方なく作っただけ。
食べ終わった後もソファーで普通にくつろぐ昴先輩の隣にそっと座る。
「昴先輩って、いつまで居るんですか?」
ニコっと、とりあえず笑みを零すと、昴先輩はゆっくり首を傾げた。
「さぁ…」
「昨日も帰ってないんだから早く帰んないと美咲さん心配するでしょ?」
「するわけねーだろ」
「予定ないんですか?」
「ねーよ。お前もねーだろ」
「……」
えぇ、何もないです。とは言えず口を紡と、
「今、ねーちゃん居ねーからヤっとく?」
先輩が口角を上げた瞬間、グっと頭を抱えられて素早く先輩から距離を置いた。



