恋の訪れ


そもそも昴先輩とお姉ちゃんは、あたしが知らない所でずっと話してた仲。

その繋がりはあたしなんだろうけど、見る限り物凄い仲がいいのは確かだったりする。


むしろ昴先輩はお姉ちゃんが好きなんだと思ってた。

いや、先輩はもしかしたらお姉ちゃんが好きかも知れない。

だってお姉ちゃんは物凄い美人だから。

あたしが言うのもなんだけど、本当に美人だ。

それに昴先輩だって認めたくないけど物凄くカッコイイ。そんな2人を並べると、これこそが理想のカップルなんだろーな。

なんて、どうでもいい事を考えてしまった。


暫く経って風呂から上がると、お姉ちゃんの物凄い笑い声が聞こえた。

まじウケるんだけどー。とか、ヤバくない?とか、なんの話をしてんのか分かんないけど二人で盛り上がってた。


「嫌だな…」


思わず口から漏れた小さな声。

もうこの空間に足を踏み入れたくない。


だけど喉が渇いたからリビングに入った瞬間、

「莉音、飯作ってよ」

なんて昴先輩の呆れた言葉に眉を寄せる。


「嫌だ。お姉ちゃんに作ってもらってよ」

「頼んだけど、料理出来ねーっつーから。女なのに…」

「うっさいわねぇ。別に出来なくったっても困んないわよ」

「諒也さんも、可哀そうだな」

「はぁ!?なんでパパが出てくんのよ。別にパパの女じゃないんだからいいでしょ」


もう、ほんと勘弁してよ。

こんなことなら、もう二度と先輩を家にあげたりしない。