恋の訪れ


リビングに入った瞬間、相変わらず派手な格好をしたお姉ちゃんが目に入る。

黒のセットアップを着ているものの、派手な茶色の長い髪をアップにし、耳から見える何個かのピアス。

相変わらず爪は派手で、メイクもバッチリ。

おまけに服のファスナーは中途半端に閉まってて、ネックレスが見えるも、胸までもが半分以上見えてる。


そんなお姉ちゃんに視線を送ってると、


「二人で朝帰りなわけー?もちろんエッチしてきたんでしょーね」


なんて笑いながらとんでもない事を言うお姉ちゃんに、ぶっ倒れそうになって眩暈が起きた。

のにも係わらず昴先輩は平然としてて、


「誘ったけど、また今度って言われた」


なんてまた先輩もあり得ないことを言う。


「そ、そんな事言ってないでしょ!?」


ソファーに座った先輩にここぞとばかりに声を張り上げる。

そんなあたしにお姉ちゃんの笑った声が聞こえて、あたしは眉を寄せた。


「あんたさぁ、そんな断ってばっかしてるから男に逃げられるんだよ」

「えぇっ!?逃げられた記憶もないんだけど」

「あー…そうだっけ」

「なぁ、香恋さん。こいつ男連れて来た事あんの?」


別に聞かなくていい事を昴先輩は聞く。

あたしの事はどうだっていいじゃんか。