「だってサクヤ先輩がそう言ってたもん」
「あのな、毎日出来る体力なんてねーから。それに毎日だったら今日はお前だからな」
「は、はい?」
「今日一緒に居るのは莉音だから。ここ、ホテルだし」
「えぇっ、」
「もう、とにかく寝ようぜ」
ベッドから抜け出した先輩は急に制服のズボンを脱ぎ捨て下着姿のままになる。
「え、先輩?」
目のやり場に思わず困ったあたしは軽く目を逸らした時、
「早く、お前も脱げよ」
「え、えぇっ?」
思わずその言葉に声を張り上げた。
え、やだよ。なんでそうなっちゃうの。
あたし先輩となんて…
なのに先輩はベッドに入り込んで固まるあたしを見つめた途端、何故だか深いため息を漏らした。
「つか何勘違いしてんの?制服クシャクシャになるからって言う意味」
「あ、あぁ…」
そっちか。
だよね。じゃなきゃ困る。
「馬鹿じゃねーの、お前。セックスするとでも思った?」
「セッ、」
「別に俺はいいけど。お前が良かったら」
「いいわけないでしょ!!やっぱ先輩は最低だよ!!」
「はいはい。で、脱がねーの?」
「脱ぐわけないでしょ!!」
クスクス聞こえる先輩の声を耳にしながら、「抱きかかえたりしないでよ!」続けて声を張り上げる。
「しねーし」
「さっき、あたしの身体に先輩の腕が乗っかってたもん」
「知らねーよ、そんな事」
面倒くさそうにそう答える先輩の声を耳にしながら、あたしはいつの間にか眠りに入ってた。



