「あんた、また弘晃と一緒だったの?」

「うん」

「うんって。最近居過ぎじゃない?」

「そんな事ないけど」

「そんな事あるわよ」

「あ、ねぇ…ヒロくんの悩みってなんだと思う?」

「はぁ!?そんな事知らないし!」


ここぞとばかりに大声を上げた真理子は、ため息とともに顔を顰めた。


「だよねー…」

「なに?なんか言われたの?」

「ヒロくんがね。莉音はいつも明るいから悩みなさそうだなーって、」

「へー…ま、アンタ見てると能天気だから悩みなんてなさそうだけどね」

「能天気って…」


あたしにだって、ちゃんと悩みだってある。

まぁヒロくんの事もそうだけど…


「莉音の悩みはー…弘晃と何で付き合えないのか!でしょ?」

「えっ、」

「図星だ…」

「ち、違うよ!」

「そうですー…って。あ、サクヤ先輩だ」


その名前にドクンと心臓が高鳴る。

なんで真理子は先輩の名前を出したんだろうと思った。


やだ、会いたくない。

避け続けたんならとことん避けてやりたい。