「なんだ、嘘か…」
その横で残念そうな顔をする真理子。
「会ったのはほんとだけど、対して話してないよ。久しぶりーって、そんな感じ」
「ねぇ、昴先輩の元彼女とかってどんな人だったんですか?超気になるー!ね、莉音!?」
「えっ!?」
急に振られた事に少し焦った。
真理子は興味津々で、ワクワクしてる。
ってか、別にどうでもいいし。
…でも何か気になる。
あの悪魔なだけに気になる。
そんな事を言っちゃあ美咲さんに失礼な様な気もした。
でも、確かな証言なんて誰からも聞いてない。
昴先輩のお母さんが美咲さんだなんて聞いてない。
ただ、あたしの勘だけで。
でも聞いて“そうだよ”なんて言われたら、あたしの過去の記憶がぶっ壊れる様な気がした。
やだ、あの優しくてカッコ良かった男の子を昴先輩だなんて思いたくもない。
むしろ、思えない。
だから自分の中で現実逃避してるんだ。
「うーん…ってか昴って付き合った事あんのかな?」
「えっ!ないんですか?」
真理子はちょっとビックリした様に目を見開いた。



