「な、なんで昴先輩なの?関係ないよ」
「莉音、気にしてたじゃん」
「だよねー、あたしも思ってた」
真理子まで笑みを漏らしながら肘であたしの腕を軽く突く。
「別に気にしてた訳じゃないし、会う必要すらないし、ヒロくんと話すようになってから会ってません!」
「また弘晃かよ、」
真理子は白い目であたしを見ると、呆れた表情をした。
「この前さー、昴と会ったんだよね」
不意に言ってきた香澄先輩の言葉に何故かドクンと心臓が波打った。
「へー…」
普通を装って言ってみたけど、香澄先輩の口から昴先輩の名前が出ると怖い。
なんでか分んないけど、怖い。
「何話したんですか?気になるんですけど、香澄さんと昴先輩の話し」
口角を上げて微笑む真理子。
そして両腕をテーブルについた真理子は香澄先輩を見つめた。
「莉音の話ししてた」
「えっ!?あたし!?」
思わず声を出すあたしに何故か香澄先輩はクスクス笑い出す。
「やっぱ莉音、気にしてんじゃん」
そう言って香澄先輩は声に出して笑い始める。
そんな香澄先輩に思わず頬を膨らませた。



