恋の訪れ


ここまで知ったら信じなきゃいけないって思った。

昴先輩のお母さんが美咲さんだって事。

その美咲さんとママは友達だって事。


そして昔仲良く遊んでた男の子は昴先輩だと――…


だからお姉ちゃんは知ってたんだ。

だからお姉ちゃんと昴先輩は話してたんだ。


それにしても、あの昴先輩が…

あの最悪な先輩が美咲さんの息子だなんて、信じたくなんてない。


そう思うと、これ以上係わりたくなんて、ない…と思ってしまった。


だからその日からあたしは昴先輩ともサクヤ先輩とも、会わずにいた。

いや会わずにと言うか、会わないようにしていた。


朝だっていつもより早く行って、昼は食堂に行かず教室で食べて、帰りはすぐにでも帰宅する。

そうしてると案外会わないものだと初めて分かった。


そんなあたしに真理子は呆れるばかりで、でもそれに合わせてくれてる真理子が正直嬉しかった。


だけど、その時間を狂わせた後から、あたしは今まで以上にヒロ君と共にする機会が多くなってた。