「莉音、もしかして。昴の好きな人でも気になるの?」
「いえ、別に」
「なのに熱心だね」
「そんなんじゃないって!」
「はいはい、別にいいけどね」
「ねぇ、香澄先輩。昴先輩って帰国子女なんでしょ?」
「うん」
「お母さんは英語教師ってほんとですか?」
「うん、そだね」
「お母さんってどんな人なの?」
「えー…どんな人って言われても。莉音、見た事ないの?香恋さんの大学に通ってるでしょ?」
「えっ!?」
思わず大きな声をだしてしまった。
喉から心臓が飛び出そうってのはこの事なんだろうか。
あまりの声の大きさに香澄先輩は少し眉を顰めた。
「莉音、声大きい」
「ごめん…でもそれほんとですか?」
「嘘ついてどうするのよ」
「ですね」
「まぁ、カナリ綺麗な人だけどね。サクヤに教えてもらいなよ」
「えっ!?サクヤ先輩にですか?」
「だってサクヤが一番知ってるから」
「いやー…サクヤ先輩って危険なんですよね」
「危険って、なにそれ」
香澄先輩は馬鹿っぽく笑いだす。



