校舎の向こうから柔らかな春風が吹いて、門へと続くソメイヨシノの並木をさわさわと揺らしていく。
「あ、
桜の匂い…」
「へ?
わかんのかよ」
「わかるよ」
甘い匂い。
ゆっくりと春が始まる匂い。
あたしの言葉に目を丸くした先輩が桜並木に向き直り、
静かにその瞳を伏せて、
全身で風を感じようとしている。
ほのかな香りを、その体で受信出来るように。
長い前髪がなびく横顔、
初めて見る制服姿。
切り取った絵のようなその綺麗な光景に、
思わずあたしは息を飲む。
胸が、つまる。
「あ、
桜の匂い…」
「へ?
わかんのかよ」
「わかるよ」
甘い匂い。
ゆっくりと春が始まる匂い。
あたしの言葉に目を丸くした先輩が桜並木に向き直り、
静かにその瞳を伏せて、
全身で風を感じようとしている。
ほのかな香りを、その体で受信出来るように。
長い前髪がなびく横顔、
初めて見る制服姿。
切り取った絵のようなその綺麗な光景に、
思わずあたしは息を飲む。
胸が、つまる。

