桜が咲いたら

意味もなく3年生の廊下を行き来して。


何かと用事を作っては兄のところに行って。


テニス部のキャプテンだという彼の姿を、放課後の校庭に探しに行った。









“好き”だと気付くのが少し遅かった。


気付かないように、“恋”だと思ってしまわないように、

慎重になっていたのかもしれない。







いつもいつも、

あたしは一歩遅いのだ。






自覚出来る要素は、

もう十分に揃っていたのに。