桜が咲いたら

高校での噂はいろいろ聞いていた。


県大会の個人戦で一年生ながらもベスト16に入ったらしい、とか。


相変わらずモテているらしい、とか。






半年以上も会っていなくて、写真や思い出や空想の中でしかその姿を見れなかったのに


先輩はそんな時間やあたしのくだらない都合なんて、

一瞬で飛び越えてきてしまう。











「変わってないね」






「…うん。

かっこいい」






「相変わらずバカそうだけど」






「うるさいな」