桜が咲いたら

怖くてまっすぐ見れないくせに、

先輩の唇から紡ぎ出されるたった一言に、

その夏のような気配が揺れる度に、

ほんの少しでも指を動かす度に、



それを敏感に察知するあたしの中のアンテナ。






落ち着かない。

息がうまく吸えない。






先輩はその気配でさえ、かっこよくて、特別で。





近くにいるんだというこの事実だけで、

心が参って潰れてしまいそうだ。






こんなあたしのことを先輩は全く、

気にも止めていないのに。