MC後の曲中にHy様がこっちに走ってきてくれた。
Hy様は私を見ると手を振ってくれた。

「きゃー!Hy様に手、振られたー!!」
「うわっ!Hyに手ぇ振られた!!」

私の叫び声と先生の叫び声が重なる。

「保坂さん。今のは先生だから。」

「先生、違いますよ。今のは私です。」

二人で笑った。

「先生?仕方ないから二人に手を振ったことしてあげる」

「おおきに。」

また二人して笑った。


先生のこの笑顔好きだな...


そう思うと隣が気になって
ライブに集中出来なかった。


ライブが終わり
先生と一緒に駅に向かって歩く。

「にしても、隣がアオちゃんって全然気づかんかったわ〜
いつもと何か雰囲気違うし。」

ライブの話をしてくるのだと思っていた私は返す言葉に困った。


「髪型かな?
いや、このピアスのせいかなぁ」

私の耳に触れた。



...ダメだ。

気付いてしまう。

昨日の私には戻れなくなる。
いや、違う。昨日の私も気付いていた
だけど気付かないフリしてた。



私の耳に触れる手が


無邪気に笑う笑顔が


微かに香る苦手な煙草の匂いでさえ


そして貴方自身が



.....好きだ。